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2020.04.05

義在於我、窮理亦在於我。(『言志録』169)

 「義在於我、窮理亦在於我。(義は我に在り。窮理〔きゅうり〕も亦〔また〕我に在り。〔佐藤一齋『言志録』169章〕)とは、西洋科学が「以徇外逐物爲窮理。(外に循〔したが〕ひ物を逐〔お〕ふを以て窮理と爲す。〔同章〕)という方法論を提示していたのに対して徳川後期の儒者がこれを論(あげつら)ったものである。元寇のような戦争、日宋・日明貿易のような交易等による国際化の波を越えて数百年、江戸期の合理的精神に「駸駸然」として浸透してきた洋学が「外物」を操作しながら新たな《物の理》の存在感を発揮し始めていた。今日の我々は、西洋科学の地盤に立って儒者の迂闊(うかつ)を嗤(わら)うことはいとも簡単であるが、ここに顕在化した《軋み》をもう一度見直す必要はないだろうか。一个のVirusが垣間見せた東西文明の素顔を通して、国際化日本の立ち位置をもう一度見直すことが大切ではないかと思ったのだ。

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